稲刈る日々

shinoです。

職業は農家です。

イベントも一段落、徳島旅行、そして怒涛の法事旅行を終え、
即日稲刈りに突入いたしております。

台風が来る前にできるだけ、ってんで
この二日間は稲かってました。


まー暑くてねえ。
体もすっかりなまってるしきつかったです。

外にいるだけで、呼吸が荒くなってくるような暑さ…
かがむ辛さ。
稲の粉のチクチク。
顔も体も汗びっしょりでべたべたしてるのに
着替えるひまもなくお昼を作らなきゃ間に合わない。

朝起きて「ああ、つらい」と思い、
寝る前にああ、明日が休みだったらなと思う日々。
久しぶりのなじんだ日々。

だけど、携帯の電源を切って
目の前の辛い仕事に向かって。
理想の100%じゃなくても、80%でもいいから、逃げずに
とにかく、向かって。
はじめて、続けて、いるうちにあっというまに一日が終わる。

一瞬一瞬の「あー!」って声が出る体の辛さ。
はじめる前はそれがいちばんこわい。
暑い、重い、座っていたい。
だけど、はじめてしまえば。
そのあとに必ず、「ああ!」って声が出る、風が吹いてる。

空が晴れる、日差しがきつくなる。
雲で日がかげる、すこし涼しくなる。
4時をすぎてようやく日がかたむく。
風がふいて、ふと気づくと、斜めからさす金色の日で
作業する夫や父が照らされていて、
稲も、田んぼも、雲も、あたりすべてが
ドラマチックな陰影。
美しいものにかこまれている事実にはっとする。

少し稲を刈っては辛くなってお茶をのみ、
倒れた稲を起こしては足がだるくなってしゃがみこみ。
ああ、わたし年とったのかなあ。
ため息も熱い。

だけど、だんだん体が慣れてくる。
ぼんくらのわりに
今まで気づかなかったようなことに気づいて
作業できた自分に得意になったりする。

そうしてあっというまに一日が終わる。

昨日の私があれほど嫌がった今日。
あまりにささやかな進歩、一進一退、ないも同じじゃん!と
昨日の私が言う、今日という一歩。

だけど昨日にはできなかった一歩。

今朝の私がだるさをこらえてモップをかけた床はすべすべしていて、
今日の夜の私の足の裏にものすごく気持ちよい。

昨日の私が機嫌を悪くしながら隙間をぬって洗ったカーテンは、
汚れをすっかり落として
今日、白くかがやいている。

もう食材がないよ!買い物にいくひまがない!と焦りながら
おととい一気に蒸した最後の鶏肉1キロは、
夜、朝とお腹を満たし、
たっぷりとれた蒸し汁はあるときはスープ、あるときは冷製スープ、
いまはリゾットになって、明日の朝を待っている。


一歩が大きいか小さいか。
どんどん集中するほどに、そんなことどうでもよくなる。

一歩はうらぎらない。

そんなダイヤのようなひらめきも、仕事と思いのはざまに消えてゆく。
そんな日々です。





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プロフィール

Author:erisino57
shinoです。農業しながらアクセサリーを作っています。不定期ですがフルオーダーメイドも。

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