4つのきまり~読書感想文「無人島に生きる十六人」③

はいどうも、shinoです。
みなさん元気でお過ごしですか?

感想文を続けていきますね~。

沈みゆく龍睡丸をあとにした16人。
船長の記憶の中の海路図をたよりに
北へとボートを漕ぎます。

何も見えない海の上。
不安をもらす者、はげます者がいて
長く感じる時が過ぎ、とうとう水平線の向うに
砂粒のような島影が見えました。

「しめた!」
「あたったっ」(島を見つけることをこういいます)

疲れも吹き飛ぶ勢いで島へ漕ぎ進み、
全員が上陸。朝に出発し、ついたのはお昼ごろでした。
お祝いにくだもののかんづめを一缶。
16人ですこしずつ分けて食べ、のどのかわきをいやしました。

それから島を見て回ると
小さな砂の島で、なにも生えていず、漂着物もなく
これでは住めそうにありません。
見回すとはるか海上により大きく青々と草のしげる島が。
それ、あの島だ!
元気の出た16人は船に飛び乗り、その島へ向かいます。

果たしてたどり着いた島はさっきの島より3,4倍も大きく
砂の上に草が生い茂っていました。
平らな島で、起伏がありません。
海鳥が卵を産みに来るようで何羽もとびかっていました。

「いい島だなあ」
「どうだい、このやわらかい、青い草。りっぱなじゅうたんだなあ」
「ほんとだ、ぜいたくな住まいだ」
「島は動かないや、はははは」

喜ぶ皆を集め、船長は仕事を命令します。
井戸掘り、島の探索、蒸留水の製造、食料の調達…やることはたくさん!
いよいよ、無人島生活がはじまったのでした。

井戸掘りは難航しました。
サンゴ質の固い地盤をほっても出てくるのは白い、塩辛い水だったのです。
また島を探索した結果、木が一本もはえていないこと、
ウミガメやアザラシがたくさんいる浜があること、
大きな流木が2本ある以外は何もない島であることが分かりました。
ちなみに、報告員が最後に
「ウミガメが4頭いたのであおむけにしておきました」というのがツボです。
あああ…!と思いつつ。
ウミガメはこの後も、彼らの貴重な食料となるのです。

何もない島。
彼らは生活をはじめてゆきます。
衣服が傷むのを防ぐためはだかになり、
(救出されたときのためにとっておく)
いかだをばらした木材と帆を使って天幕を三つ作り、
すみかとしました。
わずかな蒸留水を飲んで砂の上に横になり、すぐにいびきをかきはじめる強い男たち。
海の男は肝が座っているのでした。

翌日の朝。
海で体を清め、日本の方角を向いて神さまに無事のお礼を申し上げてから
ウミガメの焼き肉と、海水で煮た潮煮の朝ごはん。
朝食が終わると船長はみなに言います。

「島生活はきょうからはじまるのだ。はじめが一番たいせつだから、
しっかり約束しておきたい。
一つ、島で手に入るもので暮らしていく。
二つ、できない相談をいわないこと。
三つ、規律正しい生活をすること。
四つ、愉快な生活を心がけること。
さしあたって、この四つを固く守ろう。」

一同はうなずきます。
お米やかんづめはなるべく食べないようにし、
かめや魚で腹ごしらえをしよう、というと、
魚とりの担当の小笠原老人が
「この老人が、みんなのおなかは、すかせないよ」とにっこり胸をたたきました。


その後、船長が運転士と漁業長である小笠原老人と
水夫長の3人を早朝にそっと起こし、
まだ暗い海辺で静かに話し合うシーンがあります。

いままで無人島に流れ着いた船のひとたちに不幸なことが起こり、
島の鬼となって死んでいったりしたのは、
たいがい、不安からもう戻れないと絶望してしまったのが原因だと考えている。
私はこのことを心配している。みんなはうでぞろいの海の男たちだが
ひょっとして、一人でも気が弱くなっては困る。
きょうからは、厳格な規律のもとにみんなが一つとなって
いつも強い心でしかも愉快に、毎日を恥ずかしくなく暮らしていかねばならない。
立派な塾か、道場にいる気持ちで。
そういうふうに青年たちを導いていきたいと思うが、みんなはどうか。

運転士は答えます。
「よくわかりました。実は私もそう思っていました。
ただウミガメや魚を取って食べていたのでは、アザラシと変わりません。
島にいる間、立派に生きて、いつか故郷のためになるようにうんと勉強しましょう。」

そして三度の難破の経験がある小笠原老人は、
同じことを思っていた、若い人たちのためになるよう、一生懸命やりましょうと答え、
水夫長も、生きていればきっと、この無人島から助けられるのだと、
わかいひとたちみんなが気を落とさないように、
つらいことがあっても将来を楽しみに、
毎日を気持ちよく暮らすように、先に立って行動しますと言います。

この頼もしい三人に船長は心から感動し感謝しました。
全員の道しるべとなる、心の土台が築かれたと感じます。
そしてみんなが気持ちよくいるために、
どんなことがあっても、怒らない事、しかったり、小言を言ったりしない事を
ひそかに誓うのでした。

あるもので工夫して暮らし、できない相談をいわない。
愉快に過ごすことを心がける。

そして、船長はこごとをいわない。

絶海の無人島の決まり。
なのに、いまに暮らす私もくり返しこころに刻みたくなる、教えです。

愉快に暮らすこと。

それだけが一番大切なことのような気がします。
それだけのために努力したいと願うなら、
暮らしはどんどん健全になっていくのではないでしょうか。
ほんとうの愉快は、人として快いところにあるものだと思うから。

g-turtle_img01-l.jpg
アオウミガメ。今は食うてはいけません(コニカミノルタ様のHPよりお借りしました)

続きます☆
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コメント

読んでみよう(*´∀`)

しのさんこんにちは。
前にご紹介いただいたモンゴメリの『青い城』もと~っても面白く読ませていただきました。この本も読むのが楽しみです。
しのさんの文章、面白くて好きです。

Re: 読んでみよう(*´∀`)

けいこさんコメントありがとうございます^^

読んでみよう、そういっていただけてとってもうれしいです~!!!!
この夏の間に読むのがすごくいいと思うのですよ。
見上げれば入道雲が見れたり、しめった風を感じられますから。
彼らが見た景色ときっとリンクしています。

あまりに読みどころが多いのでいつも長くなってしまいますが、
コメントをいただけてやる気をいただきました。
ありがとうございました☆
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プロフィール

Author:erisino57
shinoです。農業しながらアクセサリーを作っています。不定期ですがフルオーダーメイドも。

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