父を送る

shinoです。

三月の半ば。
父があちらへ行きました。
がんを患って6年と何か月か。

体調が悪いという知らせを受けて実家へ帰り、
最後の2週間を共に過ごすことができました。

今は葬儀も終えて、自宅に帰っています。

あの時、必死で寄り添いました。

父の言葉、心、意志。

ただ体に不都合があるだけで、
周りとの間に生まれてしまう
すれ違いを、全力で埋めました。

足のひどいむくみ。

太白ごま油のマッサージが
効果あったときはうれしかったな。

訪問診療の先生も驚いて、ほめてくださって
父と二人ニンマリしました。

母。

徹夜続きの漫画家のような状態。
バリバリに立てたアンテナ、指示も乱れて全てが愛おしい母。
男ぶりをどんどんあげてゆく兄と弟。
頼もしい母の友人達。
そっとチャイムを鳴らさずに入ってきて、
おそうざいや煮物を差し入れてくれ、
毎晩父のマッサージをし、
終わったら母と私をマッサージ。
夜は交代で寝ずの番をしてくれ、
朝食の前にそっと帰っていく。

「天使」と呼んでいました。
何度も抱き合いました。

わたしは彼女たちから、どれほど学ばせてもらったことでしょう。

有益なことをここに書きたい。
だから長くなるのはやめます。

ずっと父の吐息と表情を見ていて、
ムダなくすばやく動くために、
自分のパフォーマンスを上げることだけ考えた。
漫画もネットも一切読まず、メールもほぼなし。
それは頭の余裕を作っておきたかったから。
反応のよい頭と、家族の動揺、イレギュラーを受け入れる心の余裕。

保護する野生が目覚ましく進化し
代わりに言葉を失ってゆきました。

第三者に何か説明することがとても難しかったし
ムダに思えた。
その代わりにどんどん直感がさえていきました。
父の無声音を聞き取り、表情から要求を読み取り、
体調を想像して飲み物や食べ物を提案し、喜ばれたときは何よりうれしかった。
届かない声を通訳して周りとつないだ。
父のギャグをすべらせないのも大事。
笑いを殺さないことが一番大事。

「アホ」になっていた。
だけど私は、役に立ったと思う。

ほんの少しでも余計なことを考えたり
気を散らすと、可能性が閉じてしまうのを感じた。
散らさないでいれば、どんどん伸びてゆく。
無限大に成長してゆける。

そんな世界にいました。

ネット、
メール、
漫画。
読書。
今ここ以外へ心をとばすこと。

それは時と場所をえらんだほうがよいです。
ほんとうにもったいないことです。

ああ、やっぱり長くなってしまった。
大好きな大好きな大好きな父。

その身体に触れなくなるかわりに、
一生生きる智慧をいただきました。

これを幸せとよんでいいのかどうか?
呼ぶことにします。

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プロフィール

Author:erisino57
shinoです。農業しながらアクセサリーを作っています。不定期ですがフルオーダーメイドも。

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